◆ 「瞽女唄が聞える」ブローダーハウスで萱森直子さんの唄を聴く
「瞽女唄が聞える」の企画は今年で5年目である。
今回の演目は「山椒太夫」と、日づけをかえて「景清」。
私は2月25日(土)の13時からなので、「山椒太夫」の後半を聴いた。
瞽女さんの唄には、大きく分けて、「段物」として、物語を語るものと、三味線を弾きながら民謡や流行り唄や創作した唄などがある。
今回の萱森さんは、初めに「門付け唄」、そして段物の「山椒太夫」。両方とも、上越高田系の瞽女さんが唄っていたものだそうだ。
普通、よく知られている「山椒太夫」のお話は最後に、目が見えなくなった母を厨子王が探し出すという結末だが、面白いことに、今回の段物の「山椒太夫」(上越高田系)のお話は全然違う。
安寿と厨子王、母と乳母タケがのった船は親子が生き別れになってしまう。
その時、乳母タケが「ながのおいとまをたまわれ」と海へざんぶと身を投げる。そして、乳母タケは角を振り、髪を逆立て、眼は輝き、口より火炎を吹き出す大蛇になり、波をかき分け山岡太夫を追って行き、「よくも、憎っくき、山岡太夫よ、今こそ、思い知れ!」と言って、太夫に絡みつく。
太夫は「金は返すから、いのちだけはお助けください!」と言ったが、乳母タケは船にぎりぎりとからみつき、船もろとも海の藻屑となってしまう。
このお話はこの後、どうなるのかと思ったら、「この後の細かいことはわかりません。これで終わりです」ということでした。
一般的に世に知られている「山椒太夫」のお話とはとても違う。これには驚いた。面白い!!
萱森さんは、「他にも地方によって違うお話が沢山あります」と言っていた。
都心で伝統芸能継承支援として、今はもういない瞽女さんの唄が聞けるのは、貴重な企画であると思った。
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